2007年01月07日
逆比は超強力魔法だよ♪
受験レベルでの算数の考え方、いや、一般的な算数の解法でとても重要なものの1つに逆比(反比例)というものがあります。
皆さんは、逆比による解法を十分理解し、それを活用していますか? 比と逆比(反比例)は対になった大事な考え方です。とはいうものの、いつの間にか算数から消えて中学生の数学で習うことになってしまいましたね。そして、中学や高校の数学では表立って取り上げられることは少ないかもしれません。でも、算数の世界に限っても、難問を解く上での超強力魔法だと断言できます。
逆比って何?
ごぞんじの方も多いと思いますが、逆比というものを簡単に説明しておきましょう。
逆比というのは反比例という言葉に置き換えると、正比例とセットになった言葉ですが、ここでは逆比についてのみ考えます。「比と逆比」というと、少しニュアンスが変わってきますので。
逆比というのは、簡単に言うと、2つの数量の積が一定の関係です。
2つの数量A、Bがあって、Aが2倍、3倍、…となると、Bは2分の1、3分の1、…となっていくという関係です。また、Aが2分の1、3分の1、…となると、Bが2倍、3倍、…となっていく。具体的には、
(A,B)=(1,60)、(2,30)、(3,20)、(4,15)、(5,12)、(6,10)…、といった2つの数量の関係です。Aが1の時Bが60という意味です。
1×60=60、2×30=60、3×20=60、4×15=60、5×12=60、6×10=60…
A×B=60。AとBの積が常に60で一定ですね。
ついでに言うと、積が一定という関係は、計算の仕組みと工夫をする上で重要なテクニックでもあります。たとえば、
2000×0.125なんて計算は、2×125と計算すると、小数計算しなくてすみますね。また、ここではくわしくは触れませんが、複雑な数学の計算を理解する上での大事な考え方でもあります。
比と逆比の関係を理解しよう
まず、比ありきです。まず簡単なものから。
比では2つの数量AとBの割合をA:B=1:3などど書き表します。この1:3を前後の数を逆にして、A:B=3:1と書き表したものを逆比といいます。単純にA:Bと書いていますが、上と下では表している数量が異なります。AとBの何かが1:3(BはAの3倍)だと、AとBの別の何かは3:1(BはAの3分の1)になるということですね。
今度はこういうのを。これが一般的な比の表し方です。2つの数量AとBの割合をA:B=3:2などど書き表します。この3:2を前後の数を逆にして、A:B=2:3と書き表したものを逆比といいます。A:B=3:2だから、B:A=2:3は逆比だとは言いません。
1個の値段の比は、A:B=3:2だから、同じ金額で買える個数の比は、AとBでは2:3。つまり、「1個の値段の比」と「同じ金額で買える個数の比」は逆比であるということを表しているのです。
ついでによく見かける逆比のまちがいを。比の表し方の特徴は、3つ以上の数量の割合を表せるということです。
A:B:C=1:2:3の時、A、B、Cの逆比は3:2:1にはなりません。たとえば、同じ道のりを進む時、A、B、Cの3人の速さの比が1:2:3の時、かかる時間の比は、A、B、C=3:2:1にはなりませんね。正しくは、6:3:2です。
逆比の書き表し方には決まりがありませんが、私は次のように書けばいいんじゃないのと小学生に教えています。算数は、数学のように未知数(変数)を使わないですね。これが算数のいいところでもあります(‥;)。
・1個の値段の比…3:2→逆比で2:3…個数の比。※→の上に逆比と書く。
逆比になることなる数量の比はセットだよ
逆比になるものは、A×B=積(一定)のAとBの関係で、「逆比になることなる数量の比がセットになって決められている」です。
算数の問題で逆比を活用するためには、まずどのような数量の比のセットが逆比になるのかを覚えなくてはいけません。「積」になるものは何か? その時のAとBの数量はどのようなものか?を考えなければなりません。そして次は、いろいろな問題の中から、この部分は逆比になるということを自分で見つけなくてはなりません。逆比を使いこなすにはやはり意識的に練習する必要があるかとは思いますが、難しい問題では、逆比を使いこなすと楽になるというケースがたくさん出てきます。
どのようなものが逆比になるか考えよう
最後に、どのような数量の比が逆比というセットになるのか基本的なものを具体的にいくつか挙げておきますね。
・同じ面積の長方形の縦の長さと横の長さ。
・同じ面積の三角形の底辺と高さ。
・同じ体積の角柱や円柱の、底面積と高さ。
・道のりが一定の時、速さとかかる時間の比。
・かみ合っている2つの歯車の歯の数と回転数。
・一定の仕事をする時、働く人数と仕事にかかる日数。
その他、高度な旅人算、食塩水の濃度、平均算など、いわゆる難問では逆比が最大限に活用できます。
上に挙げた例だけでは、逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかいま一つピンとこないと思いますので、これより先は具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。ただし、初心者向けというよりは、ある程度算数の基本が分かっている方向けですのでご承知おきくださいね。
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