2007年01月10日

逆比の活用3

逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかを、具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。

文章問題(文章題)の「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係」の第2弾です。前回は、2人あるいは2つのものの速さとかかる時間の関係を考えましたが、今回は3人あるいは3つのもので考えてみたいと思います。応用力を養う上での代表的な問題、ぜひチャレンジしていただきたい問題を取り上げますが、レベル的には中級ぐらいかもしれません。あらかじめご承知おきを。それと、解くのに必要な図はありませんので、もし考えにくければご自分でかいて考えてみてください。

3とおりの速さの逆比ってどうなるの?

正三角形ABCの周上を点Pが動きます。AからBまでは毎秒1mの速さ、BからCまでは毎秒2mの速さ、CからAまでは毎秒3mの速さで動いたところ、1周するのに33秒かかりました。この正三角形ABCのまわりの長さは何mですか。(桐朋中)

動くものは、点P1つしかありませんが、同じ道のり(正三角形の3つの辺)を3通りに速さを変えて移動するわけですね。したがって、かかる時間も3通りあります。

AからB、BからC、CからAまでの速さの比は1:2:3。
このことから、AからB、BからC、CからAまで移動するのにかかる時間の比を求めます。この求め方が、この問題のポイントです。よく使われる2通りの解法を記しますのでお好きな方をどうぞ。

【解法1】:
正三角形の1辺の長さを1として、道のり÷速さでかかる時間を求める。1÷1=1、1÷2=1/2、1÷3=1/3。1:1/21/3=6:3:2…それぞれの辺を進むのにかかる時間の比。

【解法2】:
分数計算をさけて整数で計算するには最小公倍数の考え方を利用します。1と2と3の最小公倍数は6。6を正三角形の1辺の長さとして考えます。道のり÷速さでかかる時間を求める。6÷1=6、6÷2=3、6÷3=2。6:3:2…それぞれの辺にかかる時間の比。

整数計算の方が簡単ですぐれているように見えるかもしれませんが、安易に最小公倍数にたよりすぎるのは危険です。場合に応じてどちらもできるようにしておくことをおすすめします。

6+3+2=11…周上を1周するのにかかる時間の合計。33÷11×6=18(秒)…AからBまでにかかる時間。1×18=18(m)…正三角形の1辺の長さ。18×3=54(m)

これは逆比の問題?

もう1題、上の問題とよく似た問題を取り上げますのでどこがちがうかよく考えてみてくださいね。これは逆比の考え方ではなく、「」でそれぞれの速さを表そうとするものですね。上の問題でも、逆比といっても「道のり÷速さ」の考え方を利用しているんですけどもね。要は、「速さとかかる時間」の逆比の関係を感覚的につかんでおいてほしいということです。

まわりの長さが270mの三角形の3つの頂点のそれぞれに、点A、点B、点Cがあって、同時に同じ方向に辺にそって動いたところ、次の頂点にA、B、Cとも同時に着きました。また、3つの点がこの三角形を1周してもとの頂点にもどるまでにかかった時間は、BはAの3分の1、CはAの5分の1でした。この三角形の最も長い辺は何mですか。

文章問題を解く上でのコツは、長い文章をいくつかに切ってそれぞれのパートから何が分かるかを考えることです。
上の問題とちがってまわりの長さが初めから分かっていますね。それから、旅人算では「同時に」という意味を考えることがたいへん重要ですね。
3つの点がこの三角形を1周してもとの頂点にもどるまで進んだ道のりは、三角形のまわりの長さですから同じです。したがって、まず、「かかった時間は、BはAの3分の1、CはAの5分の1」に着目して、A、B、C3つの点が同じ道のりを進むのにかかる時間の比を求めます。
Aを1としていることから、かかる時間をA=1、B=1/3、C=1/5とします。これを整数の比にすることは必要ありません。そして、この三角形のまわりの長さを1として速さの比を求めます。
(1÷1):(1÷1/3):(1÷1/5)=1:3:5…A、B、Cの速さの比。
「同時に同じ方向に辺にそって動いたところ、次の頂点にA、B、Cとも同時に着きました」をよく読み解こう。同じ時間で進む道のりの比は速さの比に等しいから、この三角形の辺の長さの比も1:3:5になる。そして、求めるのは最も長い辺で5に当たる辺である。
270÷(1+3+5)×5=150(m)

以上で説明を終わります。「3人あるいは3つのもので」で逆比という、ちょっと強引な説明をしましたけれども、「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係は逆比である」ということを意識していただければ幸いです。

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投稿者 寝太郎: 2007年01月10日 11:59

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