2007年04月24日

中学数学から高校数学の計算のはざま_4

直線の式と放物線

中学数学では、直線の式と放物線(2次関数)を学習します。放物線といっても、y=ax²という原点にぴったりくっついたものだけというごく簡単なものだけになっちゃったわけです。いちおうこれで放物線の形は分かるんですが、放物線が原点からお引っ越しするには、定数項かxの1次の項が必要になります。
高校で決定的に数学嫌いになる原因の一つに関数が苦手というのがありますね。 高校数学の風景というのは、ある意味で関数漬けの日々です。放物線はひとまずおいといて、直線の式と傾きという話題で高校数学をやり始めた方を対象にこんなことを考えてみたいと思います。

直線の式を求める計算をどう解くか?

中学でだれでもおなじみの問題。次のような問題を皆さんはどう解きますか。

A(2,4)、B(4,-2)、2点を通る直線の式を求めよ。
2とおりの解法がありますが、中学生の皆さんは次の解法をやっておられるケースが目立ちます。

求める直線の式をy=ax+bとおく。
4=2a+b…(1)
-2=4a+b…(2)。
(1)と(2)で、aとbの連立方程式で解くというパターンですね。答えは、y=-3x+10

もう1つの解法は、まず直線の傾きを求めようというものです。
4-2=2…xの増加量。-2-4=-6…yの増加量。
直線の傾き=yの増加量/xの増加量(yの増加量÷xの増加量)だから、
-6/2=-3…直線の傾き。
求める直線の式はy=-3x+b。この式にx=2、y=4(x=4、y=-2どちらでも)を代入して、b=10。
答えは、y=-3x+10

解き方としては、どちらがいいかは言えません。臨機応変に計算が楽になる方を選べばいいと思います。
ところで、なぜ1つ目の解法パターンにかたよるのでしょうか。それは、まず直線の傾きを求める計算が今一つ理解できない。分数計算がいやだ。連立方程式のやり方だと分数計算を避けることが出来るケースが多いですからね。

変化の割合の考え方は重要!

なぜこんな話題を取り上げたかというと、直線の傾きというのは「変化の割合」そのものなんですね。この「変化の割合」が苦手だと、高校数学でパンクしちゃうんですよ。「変化の割合」は中学数学ではまだ蕾でも、高校数学では満開状態になります。この考え方と計算に慣れておかないと、あらゆる点で高校数学にならないです。

そこでまず、中学レベルでの「変化の割合」の復習を。

直線の傾きを求める式は2とおり

直線の傾きはプラス(右へ行くと上り坂)とマイナス(右へ行くと下り坂)、それと0(平ら、x軸と平行)があります。まず、いちばん考えやすい「上り坂」を取り上げます。

A(-3,-3)、B(1,5)2つの点を通る直線の傾き。
中学生までは、常にxの増加量を考える時に左から右へ行くと考えた方が考えやすいかもしれませんね。プラスマイナスにかかわらずx座標の小さい方から大きい方へいくら増えたかを考えます。そうすれば、xの増加量は常にプラス。したがって、yの増加量がプラスの時は上り坂、マイナスの時は下り坂になります。高校数学ではそうはいきませんが。

-3 → 
-3 → 

1-(-3)=4…xの増加量。5-(-3)=8…yの増加量。
8/4=…A(-3,-3)、B(1,5)2つの点を通る直線の傾き。

この計算の最大のポイントは、出発点は、x座標、y座標とも点Aにそろえるx座標どうし、y座標の引き算は、→(矢印)のとがった方から引くというものです。それで、xの増加量とyの増加量が出ますので、yの増加量/xの増加量(yの増加量÷xの増加量)をまちがえないで(どちらが分母か、どちらで割るか)計算するということです。
マイナスだらけの計算や引き算の引く向き、割り算の向きなどにまどわされてはいけません。練習すればだれでも出来るようになりますからね。

高校数学ではどう求めるか?

高校数学でも中学数学でも、基本的な考え方はおなじですけどね。ただ、次のような計算も出来ないと行けないんです。「右方向・上り坂か下り坂」では足りないんです。具体的には、次の図のように考えることも必要です。

変化の割合の求め方・高校数学での考え方

高校数学っぽくじっさいに計算してみましょう。

A(-3,-3)、B(1,5)2つの点を通る直線の傾き
計算する時の注意点は、出発点は、x座標、y座標とも点Aにそろえても点Bにそろえてもどちらでもかまわないということを除けば、上に挙げたのとまったく同じです。また、高校数学では、点Bにそろえて出来なければ困ることになります。そこで、点Bにそろえて計算するとどうなるか記します。

A(-3,-3)、B(1,5)2つの点を通る直線の傾き。

1 → -3
5  -3

(-3)-1=-4…xの増加量。(-3)-5=-8…yの増加量。
-8/-4=…A(-3,-3)、B(1,5)2つの点を通る直線の傾き。

ついでに、A(2,4)、B(4,-2)、2点を通る直線の傾きも。

4 → 
-2  4

2-4=-2…xの増加量。4-(-2)=6…yの増加量。
6/-2=-3…A(2,4)、B(4,-2)、2点を通る直線の傾き。

どうして同じ答えになるのか

気づかれたと思いますが、出発点は、点Aにそろえても点Bにそろえてもどちらも同じになりますね。これはxの増加量とyの増加量ともにプラスマイナスの符号が変わるので、割り算すると同じ答えになるからです。
点Aと点Bの2点間の距離を3平方の定理で求める時などは、差を2乗しますので、引く向きを意識しないでも答えをまちがえることはありませんが、引く向きを意識することは、高校数学にとってとても大切だということを心におとめおきください。
「中学数学と高校数学のはざま」と今回で4回目になりますが、実はいずれもよく似たテーマなんです。整式のかけ算、割り算というちがいこそあれ、プラスそれともマイナス??。こういうちょっとした数学の勘違いを軌道修正することで、数学が分かり始めるというきっかけになることもあります。
頑張ってくださいね。

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投稿者 寝太郎 : 10:16 | コメント (0) | トラックバック(0)

2007年04月18日

中学数学から高校数学の計算のはざま_3

この計算で錯覚してませんか?

再び、「高校数学では中学数学よりさらに高度な計算能力が要求される」ということで具体的な例を挙げてみます。今度は、「高度な計算能力が要求される」というのではなく、ここんところ錯覚されてる方が多いようですので、気をつけましょうということですね。
次のような問題です。

この2次方程式どう解くの?

(2-)(+3)=4

(-2)(+3)=0ならだれでも解けると思います。
簡単そうだけど、何か変だなと思われた方いませんか?。
確かに、(-2)(+3)=0が少し変わっただけなんですけどね。まさか、=2、-3だなどとはされないでしょうが、計算に自信がないと、さてどうしようかとなるかもしれません。

初めに、中学数学の2次方程式のおさらいをしておきましょう。
2-6=0という2次方程式を解く時、ふつうは、まず因数分解出来るかどうかを考え、もしだめなら解の公式を利用するという手順になると思います。解の公式利用は、解が無理数、虚数などずっとお世話になるわけです。

この問題の場合は、、(-2)(+3)=0と、左辺が因数分解できますので、=2、-3と答えを出します。

また、、(-2)(+3)=4ならどうするか。
まず、2-6=4と、せっかく因数分解出来てる(‥;)左辺をばらしてから右辺の4を移項して、
2-10=0
因数分解出来ないから、解の公式利用ということに。

(2-)を(-2)にすると

さて、本題。
(2-)(+3)=4という2次方程式を解こうというのではありません。ここでクウェスチョン?。この式と等しい式は次に挙げるうちのどれでしょう。

 (-2)(+3)=4
 -(-2)(+3)=4
 (-2)(+3)=-4
 -(-2)(+3)=-4
 (-2)(--3)=4

正しい式は、ですね。

因数の積で表された式の正負の符号を変えるには

左辺の式、(2-)(+3)を(-2)(+3)にすると、この式全体の符号が変わってしまうんですね。ちょうど、2×3(全体でプラス)を(-2)×3(全体でマイナス)にするようなもんなんです。
したがって、式全体の符号を変えないようにするには、
(-2)(+3)にするか、
(-2)(-3)にするかのいずれかということです。
後の変形は、ちょうど、2×3(全体でプラス)を(-2)×(-3)(全体でプラス)にするようなものです。

実は、それともう1つあります。

式ではなく、左辺=右辺の方程式で考えると、
(2-)(+3)=4と
(-2)(+3)=-4は同じ式になります。左辺の式の符号が変わったから、それに合わせて右辺の式の符号も変えてやればいいという発想ですね。ちょうど、3=3だから-3=-3、a=bだから-a=-b、a=-bだから-a=bのようなものです。

右辺が0の方程式の符号を考えると

では、(2-)(+3)=0の場合はどうなるか?
この場合は、(-2)(+3)=0とやってもいいんですよ。左辺の式の符号は確かに変わっていますが、右辺の0は符号を変えても0のままだからです。

数学の盲点に注意しよう

いかがでしたでしょうか? こういう疑問をお持ちになったことはありませんか。数学をやる上でこういった教科書や参考書に記載されていないであろう(たぶん)落とし穴や盲点というのがいくつかあって、それにはまると数学人生?先がないということがあります。だれかに指摘してもらえればいいのですが、気づかずそのままだと、数学の大事故を起こすことになります。
もし疑問に思ったら、恥ずかしがらずにだれかに聞くことです。私は、こういう疑問をもつ高校生は尊敬しますね。価値ある質問だと考えます。今の高校生用の問題集は解答・解説が詳しいでしょう。本人が解説読んでも分からないような本人にとって難しい問題の質問に詳しくていねいに説明しても、それが本人の身につくかどうかは別問題ですからね。

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投稿者 寝太郎 : 16:43 | コメント (0) | トラックバック(0)

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