2007年05月11日

国語のテストを考える(1)

国語の学力を向上させる方法は?

国語の学力の伸びが今一つ、国語でよい点数が取れない、国語の勉強方法が分からないとお困りの保護者の方、いや、じっさいに塾を営んでおられる方からもそのような声をよく耳にします。

こういった悩みに対して、ずばりこの方法で勉強をすればいいという回答は、種々さまざまでややもすれば抽象的になりがちです。
ある方法でうまくいったとかうまくいかなかったというのは個人差がありますし、じっさいにやってみると、どのようにやればいいのか具体性に欠けてピンとこない場合が多いからです。

また、この参考書と問題集を使えば間違いないという断言調のアドバイスも一見具体的なように思えます。でも、この薬、この健康食品がこの病気によく効くというのと似たようなものかもしれません。確かに効く人には効くし、効かない人には効かない、少し宣伝の臭いがする場合もありますね。

私も、こういう勉強をすればいいのではないかというような考えを持ち合わせていますが、ずばりこれだというような単純なものではないかもしれません。
それは他の機会にゆずって、今回から何回かに分けて、別の観点から国語の学力とはどういうものかを考えてみたいと思います。

国語の学力は点数にどのように反映されるか

国語の成績が伸び悩むとお嘆きでも、それは返ってきた答案の点数を前提にしています。ですから、個人の国語の学力が点数にどのように反映されるのかというからくり?をある程度知っておかれると、具体的な対策も立てやすくなるかもしれません。

第1回は、国語のテストの採点はどのように行われるのかというテーマを取り上げます。受験される方の国語の点数は、あるいはあなたのお子さんの点数はだいたいこのように決まるというお話です。

実施する側の事情によってテストの内容が変わる

国語の答案を具体的にどのように採点するのか説明しますが、その前に、国語のテスト問題をそれを実施する側の事情に合わせて分類してみましょう。

1・書かせる問いが少なく、選択問題が多いテスト

長文の読解問題で、二十字以内で書けといった字数制限つきの書かせる問いが少なく、また、あったとしても採点するさいに途中点がなく、ほとんど○か×といったテスト問題です。複数の人間や機械が採点したり、採点作業時間の短縮を意図しています。

いわゆる業者テストの模擬テストにはこれが多いような気がします。また、大学入試のセンター試験のマークシートも、万単位の志望者が受験する大企業のふるい落としのためのペーパーテストも、この種のテストと言えるでしょう。

2・書かせる問いが多く、選択問題が少ないテスト

長文の読解問題で、「主人公のその時の気持ちを百字程度でまとめよ」といった問いが数題あります。学校でのテストや最近の入学試験の問題に多いですね。
国語の作文能力やまとめる力を知りたいという趣旨の問いです。

まあ、作る側からすれば、作るのは簡単、採点は難しい問いです。答案数が少なく、採点を1人でやれば公平な採点も可能かもしれません。
ただし、入学試験の答案などは本人に返ってきませんので、どのような採点なのかはブラックボックスです。

3・書かせる問いといっても本文中からの抜き出しが多く、選択問題もあって、生徒の国語の力を知るのにバランスのとれたテスト

「抜き出し問題」というのは、きちんと答えが確定する(受験者が正しい答えを書ける)問いを作るという意味ではさほど作成が簡単ではありません。
文中のある部分(接続詞などの数字程度の言葉から、20字程度の一つながりの言葉)を□で伏せ、そこにはいる適当な言葉を同じ文中から見つけさせる問いです。

採点が楽かというと、それは○か×にした時で、途中点を挙げてきちんと採点するとなるとけっこうたいへんです。
選択問題も正解が丸見えという安直な選択肢でない問題を作るとなると、書かせる問いよりきつい場合があります。

最近の入試傾向を取り入れて、数十字で書かせる問いも1,2題あります。途中点もあげるとなると、かなり採点基準作りと採点が大変なテストです。

このような問題を作っている模擬テスト業者は、正直少ないと思います。

同じ国語の学力でも採点方法で点数が変わる

国語のテスト問題の性質と傾向について長々と書きましたが、国語のテストは、こういった背景も得点を決める1つの要因だということをあらかじめ知っておいていただきたかったからです。

では、例を挙げて考えてみましょう。

たとえば、数十字で書かせる問いの配点が10点だとしましょう。模擬テストでこれを段階的に「マイナス2点」とか「マイナス5点」とか採点基準を作るのは、無理な部分がありますし、時間がかかり過ぎて、事実上、10点か0点かのいずれかになります。その場合、答案の内容が3点ぐらいのはばであっても、できた子とそうでない子との差は10点になってしまうということです。他の教科では考えれないことです。

また、選択問題が多い場合、内容が理解できていなくてもまぐれで合う場合もありますし、選択肢の内容によっては、国語の力があっても深読みし過ぎてまちがえるケースも珍しくないんです。

ここだけの話ですが、国語の問題作成に長く関わり、選択問題でもかなり時間と神経を使って作成したつもり(もちろん、複数の人に解いてもらって同じ答えが出るように調整します)でも、数年前に自分が作った国語の問題をいざ解いてみると、どれが答えか迷うこともあるんですよ(‥;)。
まぁ、「国語の学力=得点??」を決める要因の1つに、採点方法があるぐらいに心におとめおきください。

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投稿者 寝太郎: 2007年05月11日 10:37

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