2007年05月14日
国語のテストを考える(2)
国語の学力=得点?採点基準篇のまとめ
前回は、同じ内容の答案であっても採点基準のさじ加減で、得点が変わってくる。国語のテストにつきものの漢字の採点基準、長文読解問題の抜き出し問題と数十字程度でまとめさせる問題の採点基準に大きく得点が左右されるという話でした。国語のテストは他の科目では考えられない不確定要因があるということを、「採点基準」という観点から説明いたしました。
国語のテストの簡単な作り方
国語のテストといってもピンからキリまであります。それは作成する側の意識の問題です。端的に作成時間に表れます。たとえば、短時間で国語の問題を作れるかどうかと問われれば、それは可能です。
一般的な入試問題や模擬テストを受けられた経験がおありの方はごぞんじだと思いますが、国語の問題は数ページにわたっていちばん分厚いですね。長文問題が2題前後あるからです。
読解問題を作成する立場からは、文章が長いほど問題作成が楽なんですね。問題文が2ページ限定とかの制約上、文章の一部をカットするとかの事情がなければ、問題を作る文の一部をコピーします。そのコピーした文面をつらつら眺めて、ここは白抜き(抜き出し問題)、こことここは白抜き(接続詞を記号選択で入れさせる)、ここは指示語(こそあど言葉)で文中の言葉を使ってまとめさせる、ここはこの主人公のどのような気持ちを表しているかを30字程度でまとめさせる、…。
てな感じで、あっという間に10題くらい作れます。問題文は原稿用紙に書かなくても、赤ボールペンでここは白抜き(抜き出し問題)とか、波線を引いて、「1~~~~~~~~」などと指示すればいいわけです。
後は設問を別の用紙に書きこんでいきます。解答用紙は問題作成者は関わらないのが普通だと思います。
ほんとは難しい国語のテスト作成
「国語のテストの簡単な作り方」というお話しでしたが、これでも印刷すれば一応かっこうは整うんですね。
じゃあ、国語のテストを作るのは簡単かというと、ほんとはいろんな教科の中でもいちばん難しいと思います。何だ、矛盾しているじゃないかとお思いかもしれませんが、難しいというのは「きちんとしたものを作ろうと思えば」ということです。私の経験では、算数・数学の問題を作るより10倍手間がかかります。時間がかかるだけではなく、精神的にきつい作業になります。
さて、「きちんとしたもの」とは、何でしょう。
問題文は長ければいいってもんじゃない
皆さん、たとえば、私立中学の入試問題の国語、ご覧になられたことおありでしょうか。とにかく、正に「長文」が多いですね。これを50分とかの限られた時間内に解かなければなりません。
問題となるのは、この文章を読むだけでもたいへんな労力と時間が必要だということです。場合によっては、読むのに時間を費やし、問題を解く時間がなかったりします。一度、時間を計って解いてご覧になれば、実感として分かるでしょう。これが、大人ではなく小学生に課せられているのです。
国語の問題は、長い文ほど作りやすいというのは事実ですが、もっと短い文で読解問題を作り、読解力を試すテストが作れないのでしょうか。
答えはYes(作れる)です。ただし、短くなればなるほど、作成作業は困難になります。まず、問題を作成できる適当な文章を見つける作業が格段に時間を必要とするようになります。そして、文が短くなればなるほど、適切なレベルの問いを必要な数だけ作るのは困難になります。
生徒の側にとって、長文問題で得点出来るようになるには、読解力以前に「長文速読」のトレーニングとその問いを早く出せるようなテクニックが必要になってくるというわけですね。
だれでも同じ答えになる国語の設問って?
実は、この「だれでも同じ答えになる国語の設問」というのが、国語のテストが他の教科と異なる最大の問題点ではないかとか考えます。
国語のテストは、だいたい1人の作成者で作られるのではないでしょうか。算数などでは、各人バラバラに持ち寄った異なる単元の問題を1つのテストとして組み合わせたとしても問題ないでしょうが、国語の場合は、作成者の設問スタイルが人によって大きく異なる場合が多いですので、設問全体のバランスをとるのが難しくなってくるからです。
さて、国語の設問では、答えを確定させやすい設問と答えを確定させにくい設問があります。
前者は、「熟語の書き取り」、「熟語の読み」、「慣用句」などの設問です。後者は、「理由や心情を書かせたりする」設問、「まぎらわしい選択肢」の中から選ばせる設問などです。
ですから、きちんとした問題を作るためには、より多くの人に解いてもらって「書かせる」、「選択する」設問を何回も手直しする必要性が出てきます。人によって、1つの文章を読んでその内容の解釈は様々です。特に、物語文、詩などではその差は著しいものとなります。極論すれば、正しい答えなんてあるのか?ということに行きついてしまいます。
より多くの人のチェックが入ったテストは、完全とは言えないまでもより国語の客観的な学力を公平に測れるものに近づきます。見かけは同じような設問でも、そういうプロセスが少ないテストでは、下手すると、間違っている答えの方が正解よりいいんでは?なんて場合もありえます。
では、国語でよい得点を取るにはどうすれば?
「国語でよい得点を取るにはどうすれば?」ということですが、ここで前回と今回の話で、国語のテストの避けられない問題点をまとめてみます。
国語はだれしも納得できる設問を作りにくい科目であり、と同時に、公平な学力を測れる採点基準が作りにくい学科である。
このことも踏まえて、実際の入試問題で学力に見合った得点をゲット出来る方法を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
その具体的な方法については、また別の機会にでも記したいと思います。
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