2007年05月15日
中学数学から高校数学の計算のはざま_5
多項式の割り算でこの問題が苦手?
数Ⅱで最初に習う単元に、「多項式の割り算」というのがあります。ああ知ってるという方は、2年生の初めか、1年生の3学期かにやった覚えがおありだと思います。
なぜこんな話題を取りあげるのかというと、次のような2つの問題で、初めの問題1は出来ても、2つ目の問題2でつまずく高校生の方が目に付くからです。
☆問題1:次の多項式A、Bについて、AをBで割った商と余りを求めよ。また、その結果をA=BQ×Rの形に表せ。
A=4x³-3x-9 B=2x+3
☆問題2:次の条件を満たす多項式A、Bを求めよ。
x³-x²+3x+1をBで割ると、商がx+1、余りが3x-1である。
なぜ問題2は行き詰まるか?
問題2で行き詰まっている方の計算式を見ていると、次のように計算しています。
x³-x²+3x+1をx+1で直接割っているんですね。多項式をxの1次式で割る時は「組み立て除法」という便利なものがあるんですが、同じように行き詰まります。
実際、x³-x²+3x+1をx+1で割ると、商がx²-2x+5で、余りが-4になっちゃうんですね。ここから、どうしてよいか分からない(-_-;)。
多項式Aが3次式で、商がx+1だから、Bは2次式で余りは1次式。ところが、x+1で割ると余りは定数になっちゃうということにからくりがあるんですね。だから、正しい2次式Bが求められない。正確には、これでも何とかする方法はあるんですが、普通は無理でしょうね。
算数と高校数学の計算のはざま?
このシリーズは、「中学数学と高校数学の計算のはざま? 」ということでやってますが、今回は「小学算数と高校数学の計算のはざま」かもしれませんね(‥;)。まぁ、中学数学でも、「過不足算系統」の方程式の応用問題で似たような考え方の問題がありますが。
高校のこの問題で行き詰まるのは、次のような算数のいちばん大事な計算の意味がつかめていないからです。(2)~(4)は、□の中の数を求める問題です。
(1)29÷6=4…5
(2)29÷6=□…5
(3)29÷□=4…5
(4)□÷6=4…5
(1)と(2)は問題ないんですが、(3)と(4)で計算式の意味がつかめていないと困ることになります。詳しく見ていきましょう。
4つの式の意味と計算方法
(1)の割り算の意味は、ふつう29の中に6がいくつあっていくつ余るかという意味の計算です。単純な数の計算ですが、「29個÷6=4…5個」という量の計算では、「29個を6等分すると1つ分はいくらになって何個余るか」という意味になります。
(2)は、29÷6とそのまま計算しても答えが出ます。
問題は、(3)なんです。
(2)と同じように?計算してみるとどうなるか。みなさん、たいてい29を4で割ろうとします。
29÷4=7…1だから、□は7、あれれ?というようなパターンです。これぐらいの簡単な計算なら、九九で強引に「七四28」とやっても答えは出ますが、少し複雑な計算になると、式の意味を考えて計算しないと対応できませんね。
あまりの5は29の中から出てきたものだから、29からあまりの5を引いてから4で割ると割りきれる、というのが式を考えて解くということです。この考え方が出来ていると、上の高校数学の割り算にも対応出来るというわけですね
(4)は、□は、6が4個あり、さらにそれより5大きいという意味ですから、□=6×4+5で求めるんです。
余りのある割り算で整数計算の意味をつかもう
上の4つの計算は、数そのものは簡単かもしれませんが、式の意味を考えて解くと、「加減乗除」すべてがふくまれているのがお分かりでしょうか。算数の計算の仕組みを考えるとても重要な考え方です。
高校数学の「問題2:次の条件を満たす多項式A、Bを求めよ。
x³-x²+3x+1をBで割ると、商がx+1、余りが3x-1である。」という問題では、確かに半分は高校数学です。どんなに算数や中学数学が出来る方でも、問題の意味が分からなければ解けません。
ですが、残りの半分の考え方は高校数学でしょうか。高校数学では当然知っているという前提でやるというだけの話ですね。
このような間違いを運よく?どなたかに指摘されたら、高校生の皆さんは、何よりも優先して、何度も反復練習して身につけることをお薦めします。高校数学の学力向上のために欠かせない基礎訓練だと考えます。
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