2007年07月12日

通過算・甲陽学院中・中級



算数・2007年入試・良問100番勝負:その5

東西にのびる線路があります。ある時A君が線路の近くに立っていると、西から特急、東から急行が近づいてきてA君のちょうど目の前ですれちがい始めました。すれちがい始めてから10秒後に線路の向こう側が見えました。特急と急行の列車の長さがそれぞれ200m、160mで、速さの比が3:2であることが分かっているものとして、次の問いに答えなさい。
(1)特急と急行の速さはそれぞれ秒速何mですか。
(2)A君の真東にいたB君も同じ特急と急行を見ていました。B君の目の前を急行が通過し始めてから、特急が通過し終わるまでの16と2/3秒間はずっと線路の向こう側は見えないままでした。A君とB君の間の距離(きょり)を求めなさい。
甲陽学院中_1日目5番の問い…中級ではやや難しめ。通過算・中級

解法に必要な単元・考え方

・通過算の応用的理解・速さの比(同じ時間で進む道のりの比)

ポイント1:
すれちがい始めてから10秒後に線路の向こう側が見えました…ここをきちんとその意味を理解出来るかどうかが、分かれ目ですね。よくあるパターンの単純に出会ってからはなれるまでと解釈してはこの問題は解けません。両列車がはなれる地点はA君の目の前ではないですからね。 A君が線路の向こう側を見ることが出来るのは、両列車の最後尾がA君の目の前を通り過ぎた後です。

ポイント2:
特急と急行の速さの比が3:2…速さの比が分かれば同じ時間で進む道のりあるいは道のりの比が分かる。
これを利用して、
・特急の最後尾がA君の目の前を通り過ぎた時…200×2/3133と1/3mで、急行の最後尾がA君の目の前を通り過ぎていないことが分かる。
・急行の最後尾がA君の目の前を通り過ぎた時…1600×3/2=240mで、特急の最後尾はA君の目の前を通り過ぎてからさらに40mはなれていることが分かる。
したがって、「すれちがい始めてから10秒後に線路の向こう側が見えました。」は、急行が急行の速さで160m走るのにかかる時間であることが分かる。これを図で示すと次のようになります。
通過算・両列車の最後尾

ポイント3:
A君の真東にいたB君も同じ特急と急行を見ていました。B君の目の前を急行が通過し始めてから、特急が通過し終わるまでの16と2/3秒間はずっと線路の向こう側は見えないままでした…B君はA君の真東にいて、急行は東から西に進んでいるので、B君の目の前を急行が通過し始めた時、特急と急行はまだ出会っておらず、特急はその時の地点から16と2/3秒間進んでB君の目の前を最後尾が通り過ぎたことになる。

ポイント4:
B君の目の前を急行が通過し始めた時、特急の先頭とA君までの距離と急行の先頭とA君までの距離の比は、両列車の速さの比である。これを簡単に図解すると次のようになる。もちろん、「速さ・時間・道のりの関係」の基本式でも解ける。
通過算・両列車の進む道のり

通過算の問題(中級)

旅人算ファミリーの一員として通過算があります。旅人算の考え方をベースに「動くものの幅(長さ)」を考え、「出会い」とか「完全に通過する」とか、いろんな基本事項の習得に加え、いろんなバリエーションがあっておもしろい問題作成が可能な文章題です。おっと、それをやらされる受験生の皆さんにとってはたまったもんじゃないかもですね(-_-;)。
でも、計算も含めて無理のない良問だと思います。

解説と答え:

(1)
急行の最後尾がA君の目の前を通り過ぎるまでの時間がポイントです。
160÷10=16m/秒…急行。16÷2×3=24m/秒…特急

(2)
24×16と2/3=400(m)…急行の先頭がB君の目の前を通りかかった時から特急の先頭が走った距離。
400-200=200(m)…急行の先頭がB君の目の前を通りかかった時の特急の先頭と急行の先頭の距離。
200÷(3+2)×2=80(m)…A君とB君の間の距離
【参考】:200÷(24+16)=5(秒)…特急と急行が出会うまでの時間。16×5=80(m)と、比を使わなくとももちろん可。

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投稿者 寝太郎: 2007年07月12日 14:57

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