2007年06月04日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(6)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(6)
さて、最後に「積と商」から2つの数を求めるというのを取りあげてみます。こんなのは初めてという方もおられるかもしれませんね。
でも、私立中学の入試レベルでは、必要な場合もある解法です。
私は、「積と商」から2つの数を求める解法を「積商算」と勝手に命名してます。「和差算」があるなら、「積商算」があってもいいと思いませんか(‥;)。
小学校で習う算数で「文章問題」というのは事実上深くあつかうことはありませんが、数多くある文章題というものは、算数・そして数学につながる大事な考え方の「型(パターン)」を訓練するものだとも言えると思います。
算数・数学に強くなるためには、小学生のうちに「文章問題」に強くなろうとお勧めするのもそういった理由の1つです。
積商算?の問題
具体的には、こんな問題です。
【問題】:
☆2つの整数があって、その積は12で、その商は3(大きい数を小さい数でわった答え)です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
いかがでしょう? こんな問題やったことありますか?
こんな感じで、小学生は解けると思います。
小さい方の整数を□とすると、大きい方の整数はその3倍なので、□×3と表すことができます。これも、「商」を割合に置きかえただけです。まず、割合を考えるということですね。
すると、2つの数の積は、□×(□×3)=□×□×3。
□×□×3=12となり、□×□は、12÷3で4です。
□×□=4。4になる□を考えます。2つある□は同じ数ですので、2ですね。例によって、-2(マイナス2)は考えないことにします。
「平方根」の考え方
実は、これは、中学で習う「平方根」の考え方そのものなのですね。
こんなの小学生に解けるのと思われる方も多いと思います。
そこで、たとえば、36の約数を考える場合、次のようにやります。
36=1×36、2×18、3×12、4×9、6×6。
今まで取りあげた数の約数の場合とちがって、最後が6と6と同じになってしまいましたね。
36のような同じ数の積で表せる数を「平方数」と言います。
1(1×1),4(2×2),9(3×3),16(4×4),25(5×5),…とたくさんあります。
こういった平方数に親しんでおくことも、将来数学に取り組んだ時には役立つと思います。
もう少し難しい平方数を
もう少し?、難しいのをやってみましょう。
【問題】:
☆2つの整数があって、その積は1156で、その商は4(大きい数を小さい数でわった答え)です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
ええっ!!て感じでしょうか。でも、いちおう解いてみますね。
小さい方の整数を□とすると、大きい方の整数はその4倍なので、□×4と表すことができます。
2つの数の積は、□×(□×4)=□×□×4です。
□×□×4=1156となり、□×□は、1156÷4で289です。
□×□=289。289になる□を考えます。
無理だとお思いですか?
こんな感じで解きます。
10×10=100、20×20=400なので、□の十の位は1。
□の一の位の数字の積の一の位が9であることに着目。
3×3=9、7×7=49で、この2とおりの場合しかない。
13×13=169、17×17=289なので、□=17。17×4=68。
求める2つの整数は、17と68。
今回で「2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題」シリーズはおしまいです。ややパズルのような問題もありましたが、こういう問題に取り組んでいると知らず知らずのうちに算数・数学の総合的な学力が向上していくというものだと思います。
がんばってくださいね。
投稿者 寝太郎 : 11:17 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年06月03日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(5)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(5)
「差と積」の次は、「差と商」。
「和と積」、「差と積」がちょい数学っぽかったですが、この「差と商」は、「和と商」とセットになる重要な考え方です。分配算と呼ばれる「量と割合」を線分図で考える算数の基本となる問題ですので、私立中学を受験するしないにかかわらず、小学生のうちにぜひマスターしておいてほしいと思います。
では、さっそく問題。
2つの数の差と商の問題
【問題】:
☆2つの数AとBがあって、AとBの差は36でAをBで割った商は5です。2つの数はそれぞれいくらですか。
「AをBで割った商は5」ということは、AはBの5倍ということ。「AとBの差は36」ということと「AはBの5倍」ということを線分図で表すと、次のようになります。「和と商」の問題とどこがちがうのかをよく考えてください。


この線分図で、どのようなことが分かるか?
初めてやると、線分図かいても分からないのがふつうだと思いますから、分からなくとも気にしない、気にしない(^^)。
そう?、「AとBの差36」が、5-1=4で、「Bの4倍」になっていることですね。
したがって、36÷4=9で、まず、B=9が求められます。Aは、9×5=45でも、9+36=45。
【答え】A=45、B=9
数量を割合で割る考え方
何だ、前にやった「和と商」と同じ9と45じゃあないかとお思いの方もおられるでしょうね。そう、わざと同じにしたんです。なぜ「和」の場合は「5+1=6」で割る、「差」の場合は「5-1=4」で割るのか考えてください。
分配算などの割合の問題では、線分図で数量と割合の両方が分かるところを見つけ、数量を割合で割って、もとにする量(1)を求めるという考え方なんです。これは、とても重要な考え方ですよ。
次回は、このシリーズの最後で「積と商」、そう、「積商算?」です。
投稿者 寝太郎 : 20:35 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年06月02日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(4)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(4)
前回までは「和と差」「和と積」「和と商」から2つの数を求める「和と~」シリーズでしたが、今回からは「差と~」シリーズです。と言っても「差と積」と「差と商」の2つです。いや、「積と商」が残っていますが(‥;)。
「和と積」の時と同様、2つの数の「差と積」が分かれば、やはり2つの数を求めることが出来ます。算数よりむしろ数学と関係が深いのも同じで、この2つはセットで考えてください。
では、さっそく問題。
2つの数の差と積の問題
【問題】:
☆2つの整数があって、その差は10で、その積は96です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
「和と積」の時と同様、まず、2つの数の積が96であることから2つの数の組み合わせを考えます。
96=1×96、2×48、3×32、4×24、6×16と、まだ8×12があるのですが、6×16で、16と6の差が10と分かるので8×12は書かなくてもいいですね。2つの約数の差はちぢまっていきますので。後は、かける数がかけられる数より大きくなって差はくり返し。16×6も差が10だけど、これはいらないということです。約数の組み合わせのうち、差が10になるのは(6,16)。
よって、答えは、6と16。
。約数の求め方については、「約数の求め方を考える」をご参考に。
少し難しいのを。
【問題】:
☆2つの整数があって、その差は57で、その積は180です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
前に取りあげた「和と積」の問題は、「その和は27で、その積は180」でした。別に手抜きしたのではなく(‥;)、比べてほしかったんですよ。
180=1×180、2×90、3×60。おっと、差が57になるで、後はやらなくておしまい。
よって、答えは、3と57。
この問題を数学で解くと?
なぜ数学で解くか? それにはわけがあります。
1つ目は、因数分解利用。
小さい方の数をxとすると、大きい方の数はx+57(大きい方の数をx、小さい方の数をx-57としてもよい)。
x×(x+57)=180。x²+57x-180=0。
(x+60)(x-3)=0で、xは正(プラス)の数だから、x=3小さい数。3+57=60…大きい数。
この因数分解の解き方で解く場合、180=3×60であるということに気づかなければ解けませんね。180=1×180、2×90、3×60、…の世界で、算数でやるのと変わらないことやってるんですよ。
次に、やはり同じ数学で、2次方程式の解の公式で解いてみてください。ルートの中が、57²+720=3969とひじょうに大きな数になってしまいます。3969=63×63だと分かれば解けるんですが。
いかがでしょうか? 何か、算数がいちばん速く簡単に解けるような気がしませんか。この「差と積」、また「和と積」は、算数や数学でつまずかない大切な考え方というようなものではないかもしれませんが、覚えておいていいTipの1つかもしれませんね。
投稿者 寝太郎 : 08:51 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年05月30日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(3)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(3)
前回は「和と積」から2つの数を求めることを考えましたが、今回は「和と商」。
2つの数の「和と商」が分かれば、やはり2つの数を求めることが出来ます。今度は、算数。文章題で「分配算」とか「倍数算」とかいうのに相当する問題。線分図を習っていないと小学生は難しいかもしれませんが、とても重要な考え方を含んでいますのでぜひチャレンジしてみてください。
2つの数の和と商の意味
まず、「2つの数の商」とは、ある数を別の数で割った時の答えという意味で使っています。たとえば、10÷2=5という式は、割り算という計算の商が5であるということです。けれども、そのほかに、10は2の5倍という意味があります。つまり、割り算の商は割合を表すという側面があるわけです。これは、超重要。
2÷10だと、どうなるか。2÷10=0.2で、やはりこれも割合を表すことが出来、2は10の0.2倍、2割、20%、1/5などと書きますね。
2つの数の和と商の問題
では、さっそく2つの数の「和と商」の問題をやってみましょう。
【問題】:
☆2つのAとBがあって、AとBの和は54でAをBで割った商は5です。2つの数はそれぞれいくらですか。
「AをBで割った商は5」ということは、AはBの5倍ということですね。「AとBの和は54」ということと「AはBの5倍」ということを一般的な線分図で表すと、次のようになります。

この線分図で、どのようなことが分かるか?
ずばり、「AとBの和54」が、5+1=6で、「Bの6倍」になっていることです。
したがって、54÷6=9で、まず、B=9が求められます。Aは、9×5=45でも、54-9=45いずれの計算でも求められます。かた一方の計算を確かめに使うといいですね。
【答え】A=45、B=9
数学で解くと?
ご参考までに、中学生はこの問題を数学でどう解くか? 方程式で解くということになりますね。
1つ目は、こういう式です。
小さい方の数Bをxとする(Bのままでもいいんですけどね)と、大きい方の数Aは54-x。
54-x/x=5。54-x=5x。6x=54。x=9…B。後は省略。
文字どおり、問題の内容をそのままxを使った式で表した解法ですが、分母にxを持ってきていますので、中学生に成りたての皆さんはここでこけるかも(‥;)。
2つ目は、こういう式です。小さい方の数Bをxとするのは、上と同じです。
AはBの5倍ということを理解して、A=5xとおく。
x+5x=54。6x=54。x=9…B。後は省略。
算数で解いた方が楽?
数学の下の解法は、実は、算数の線分図の解法と考え方が同じなんです。線分図では、B=xの代わりに、B=1としているだけです。変数(未知数)がない分、慣れればこちらの方が楽かもしれませんね。慣れれば線分図をかく必要もないですよ。
変数が1つならまだいいんですが、変数を作りすぎるのは危険です?問題によっては複雑になり、計算がたいへん。たとえば、ここでは触れませんが、ニュートン算を変数で解くには、ふつう変数を3つ使います。
ついでに。
中学生になって方程式の応用問題をやるようになると、変数を使って式で表す必要が出てきます。この場合、割り算の式で分母に変数を使って式そのものは正しいんですが、それから計算出来ないで困るというケースもよく見かけます。
何をx(変数、未知数)とおくかが重要です。たとえば、速さの問題で求めるものが速さだったりすると、「速さ×時間=道のり」ですから、「時間=時間」の式を作った場合「速さ」をxとおくと、分母にxがきてしまいますね。
方程式の応用問題では、必ずしも求めるものをxとする必要はない。
たとえば、「道のり=道のり」の式を作った場合「速さ」や「時間」をxとおいても、かけ算ですので分母にxがこないから計算が楽になります。
数学をやるにしても、2つ目の方程式の解法のように算数?の考え方を知ってた方がいいということでしょうか。2つの数の「和と商」なんてのは学習単元にはないですが、算数・数学の解法の見えないツボのようなもんです。
投稿者 寝太郎 : 11:31 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年05月28日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(2)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(2)
前回は「和と差」から2つの数を求めることを考えましたが、今回は「和と積」。
2つの数の「和と積」が分かれば、やはり2つの数を求めることが出来ます。そして、この求め方は算数というよりむしろ数学と関係が深いです。
2つの数の和と積の問題
たとえば、2つの数の「和と積」がわかっていれば、2つの数を求めることができるなんてのは、中学で因数分解を習う時に必要ですね。
☆x²+8x+15=(x+3)(x+5)なんてやつです。
この場合、和が8で、積が15の2つの数がいくらかを考えます。これを計算ではなくすぐに思い浮かべることができるように練習すると、少なくとも「因数分解」には強くなりますよ。もっとも、数学では解の公式というのがあって、因数分解出来なくても解けますけどね。
また、高校数学では、「解と係数の関係」で2つの数の「和と積」を考えます。xとyを使った対称式は「基本対称式」x+y(和)とxy(積)の2つの式で表せるなんてのもありますね。
2つの数の和と積の問題は算数♪
というわけで? 小学生の算数で考えることが出来るわけですから、チャレンジしてみてください。まあ、計算に強くなるための脳筋トレーニングとでも考えればいいんです。
小学生も対象ということで、正(プラス)の整数しかあつかいませんし、方程式による解法はなしということにします。2次方程式で解けますが、整数ならかえってめんどうな場合が多いですね。
さっそく、次のような問題を考えてみましょう。
【問題】:
☆2つの整数があって、その和は7で、その積は10です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
まず、2つの数の積が10であることから2つの数の組み合わせを考えるのが楽です。約数の世界ですね。余談ですが、「約数」に強くなるというのは、算数・数学の計算に強くなるためにたいへん重要だと思います。
10=1×10、2×5と2とおり。(1,10)、(2,5)のうち、和が7になるのは(2,5)。よって、答えは、2と5。
少し難しいのを。
【問題】:
☆2つの整数があって、その和は27で、その積は180です。2つの整数はそれぞれいくらですか。
180=1×180、2×90、3×60、4×45、5×36、6×30、9×20、10×18、12×15。これらのうち、和が27になるのは(12,15)。
よって、答えは、12と15。
算数の約数に強くなろう!!
なんだ、めんどくさいな、と思われた方は方程式で解いてみてください。因数分解、解の公式(おっと、高校数学に行っちゃいましたね?)何でもありです。どういうことか、解いてみれば分かります。
そこで、結論。「2つの数の和と積」の世界でイメージトレーニング。約数に強くなることは、算数・数学に強くなる大事なTips!!
投稿者 寝太郎 : 12:57 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年05月27日
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題(1)
2つの数の和・差・積・商の組み合わせの問題
ちょっと変わった?算数の計算・考え方をシリーズで取り上げましょう。テーマは、「さまざまな解法で応用力を高める」にしておきましょう。こういうのです。
2つの数AとBがあって、この2つの数の和・差・積・商のいずれか2つが分かっている時、AとBがいくつか分かるか、そしていくらになるかを計算してみようというものです。
2つの数の和・差・積・商の組み合わせは、「和と差」「和と積」「和商」「差と積」「差と商」「積と商」の6つです。これを全部、その解法を考えてみようと思います。算数ですので、もちろん負(マイナス)の数はあつかいません。
2つの数の和と差の問題
さて、第1弾は、「2つの数の和と差が分かれば」。
これは、算数の文章題で「和差算」という解法に当たります。私立中学入試を志されるお子さんたちが、最初に取り組む文章題の1つです。また、算数解法の重要なツールである線分図を学ぶための入門として位置づけられる問題です。
「和差算」の考え方を簡単に言えば、「2つの数(量)の和と差が分かっていれば、2つの数(量)を求めることが出来る」ということです。求める数のどちらかの2倍がいくらかを考えようということですね。
次のような線分図で考えることになります。初めは上の線分図の方が考えやすいと思いますが、慣れれば下の線分図で考えるといいと思います。3つ以上の数量の関係を考える場合など、応用の幅が広がります。
・2つの数(量)の「和」と「差」が分かっていれば:
「和」から「差」を引くと、「小さい数」の2倍が分かる。
「和」と「差」を足すと、「大きい数」の2倍が分かる。

2倍がいくらかを線分図で考えよう!
和差算は線分図の基本だよ!
投稿者 寝太郎 : 12:31 | コメント (0) | トラックバック(0)