2007年01月23日
食塩水の問題を逆比で解こう
逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかを、具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。
前回は「平均算を逆比の考え方で解く」ということで「逆比」を考えました。今回は「食塩水の濃さの問題を逆比の考え方で解く」です。
「食塩水の濃(こ)さ=濃度(のうど)の問題」は、小中学生の皆さんにとってとてもいやな問題、いや、大きらいだという人も少なくないでしょう。高校数学をやるようになっても、不等式などで食塩水の問題が出てくることもありますね。逃げられません?
なぜ苦手になるかというと、「割合」そのものが苦手だ、「食塩水の濃度の表し方」かよくわからないから、それが算数の問題であれ、数学の方程式や不等式で解く問題であれ、その解法が思いつかなくなるわけです。
そこで、「食塩水の問題を逆比で解く」前に、食塩水の濃度の表し方について簡単に触れておきましょう。
食塩水の濃さって?
「100gの水に20gの食塩を溶かすと、何%の濃さの食塩水ができますか。」という問題に、皆さんはどう答えますか。そんなの20%に決まってるじゃない、というまちがいが多いんですね。
食塩水の濃さというのは、水の重さをもとにするのではなく、食塩水の重さ(水の重さ+食塩の重さ)で表すことになっています。したがって、
20÷(100+20)=0.1666…で、約16.7%(約16%)。食塩を水に溶かしてもかさはほとんど増えませんから、つい水の重さで考えてしまうのかもしれませんね。ついでに、算数や理科では割り切れない場合は、%の小数第1位まで四捨五入で求めるのがふつうです。それともう1つ。理科の問題ではありませんので、溶解度というのは考えません。食塩水の問題に限りませんか、理解しにくい単元はだれにとってもそれだけ練習を積む必要があるということですね。
・食塩水の濃さ(%)=食塩の重さ÷食塩水の重さ×100
食塩水の濃度を濃くするには?
食塩水の問題では濃度を濃くしたりうすくしたりすることを考えます。逆比の解法を考える前に、濃度を濃くする方法を復習をかねて3通り考えてみることにします。
・その1:水を蒸発させて食塩水の濃度を濃くする
10%の濃さの食塩水が300gあります。この食塩水を12%の濃さにするためには水を何g蒸発させればよいですか。
「濃さが変わっても食塩の量(重さ)は変わらない」ことに着目する問題です。
300×01=30(g)…食塩の重さ。この食塩の重さが蒸発させてできた食塩水の12%に当たることになる。30÷0.12=250(g)。300-250=50(g)…蒸発させた水の量。
・その2:食塩を加えて食塩水の濃度を濃くする
10%の濃さの食塩水が100gあります。これに食塩を加えて25%の濃さにするためには食塩を何g加えればよいですか。
図はありません(-_-;)。「濃さが変わっても水の量(重さ)は変わらない」ことに着目する問題です。
100×(1-0.1)=90(g)…水の重さ。この水の重さが食塩を加えてできた食塩水の75%(100%-25%)に当たることになる。90÷0.75=120(g)。120-100=20(g)…加えた食塩の量。
食塩水の問題を逆比で解く
さて、「食塩水の問題を逆比で解く」問題を。今度は、濃さが変わって食塩の量も水の量も変わってしまう(‥;)問題です。「逆比で解く」というのがテーマですので、まず逆比で解いてみます。
10%の食塩水が300gあります。この食塩水を12%の濃さにするためには、15%の食塩水を何g加えればよいですか。
中学数学では、15%の食塩水をxg加えるとして方程式で解くのでふつうの問題かもしれませんが、初めてこういった問題を算数で解くのは難しいかもしれません。でも、受験レベルの算数の食塩水の問題では易しい方かも(‥;)。
「12%の濃さ」いう時のもととなる食塩水の重さは15%の食塩水の重さも足したものだし、15%の食塩水の重さも分からないので、手がかりをつかみにくいのですね。
濃さのちがう2種類の食塩水を混ぜるということは、「濃さを平均化する」と考えることもできます。濃さはちがっても2種類の食塩水を同じ量ずつ混ぜると、2種類の食塩水のちょうど真ん中の濃さになります。また、混ぜ合わせてできた食塩水の濃さは、うすいほうと濃いほうの間になります。そして、多く混ぜた方の濃さに近くなります。
上の図は、10%と15%を分かりやすくするため大きくしています。「混ぜ合わせる10%の食塩水と15%の食塩水の重さの比は、平均に足りない2%と平均を超えた3%の逆比になる」というのがポイントです。赤い長方形の食塩が青い長方形の食塩へと移動するというイメージでどうぞ。
12-10=2、15-12=3。2:3→逆比で3:2…混ぜ合わせる10%の食塩水と15%の食塩水の重さの比。300÷3×2=200(g)。
食塩水の問題を逆比以外で解く
逆比でなければ解けないというわけではありませんので、念のためもう1つの解法を記しておきます。
やはり、上の面積図で考えることができると思います。
300×0.12=36。36-30=6(g)…300gの食塩水を12%の食塩水にするためにさらに必要な食塩の量。0.15-0.12=0.03(g)…15%の食塩水1g入れるごとに12%の食塩水にする時に余る食塩の量。6÷0.03=200(g)。
食塩水の問題を逆比で解く・おまけの問題
長くなりますので説明は省きますが、同じぐらいのレベルで逆比で解く代表的な食塩水の問題をもう1つ挙げておきますね。つるかめ算などの他の解法もありますが、逆比がいちばん”速い”かも。時間がありましたらチャレンジしてみてください。
濃さが8%の食塩水と4%の食塩水を混ぜ合わせて、濃さが5%の食塩水を800g作ろうと思います。それぞれ何gずつ混ぜるとよいでしょうか。
【答え】8%の食塩水…200g、4%の食塩水…600g。
投稿者 寝太郎 : 16:47 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年01月18日
平均算を逆比で解こう
逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかを、具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。
前回は「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係」ということで「逆比」を考えました。今回は「平均算を逆比の考え方で解く」です。
平均算の基本的な考え方はここでは省かせていただきますが、1つだけ、小学生の皆さんにこれはぜひ知っておいていただきたいことを。中学や高校の数学では欠かすことのできない考え方です。
2つの数のちょうど真ん中はいくら?
「2つの数18と10のちょうど真ん中にくる数はいくらか」という問題で、皆さんは次のような解き方をしていませんか。
・18-10=8…2つの数の差。8÷2=4。
10+4=14あるいは、18-4=14。
もちろんこの解き方でもいいんですけども、「2つの数のちょうど真ん中にくる数は、2つの数の平均である」という考え方をすれば、
(18+10)÷2=14で答えが出るんです。
平均を超える数量と超えない数量
「平均算を逆比の考え方で解く」場合、平均算の次のような考え方が必要になります。
★平均を超えた数量の合計と平均に足らない数量の合計は等しい
次の【図2】と【図3】の線分図で考えてみましょう。
念のため、【図3】の平均を2通りの方法で解いてみます。
【解法1】平均算のいちばん基本となる解き方です。(18×2+8×3)÷5=12。
【解法2】すべてをいちばん数量の少ないグループに合わせて、余った数量をすべてに再配分するという解き方です。これも平均算の重要な考え方ですね。(18-8)×2=20。20÷5=4。8+4=12。
さて、本題にもどりましょう。【図2】と【図3】いずれでも、「平均を超えた数量の合計(赤線の部分)」「平均に足らない数量の合計(青線の部分)」が等しいことに気づかれたでしょうか。
「逆比」というのは、2つの数量の積が一定であるということを利用します。平均を超えた数量の合計=平均に足らない数量の合計=一定の積だということです。
【図2】では、4×1=2×2=一定、6×2=4×3=一定ということですね。
平均算を逆比で解く
最後に、「逆比」を利用して平均算の問題を解いてみることにします。上で説明した、【解法2】をステップアップした解法です。
40人がテストを受けたところ、男子だけの平均点は全体の平均点より、1.1点低く、女子だけの平均点は全体の平均点より0.9点高かったそうです。この時、男子の人数は何人ですか。(灘中)

今度は、2つの数量のグループの人数が分かっておらずまた多いので、線分図ではなく面積図で考えてみることにします。ポイントは、平均を超えた数量の合計(赤くぬられた長方形の面積)=平均に足らない数量の合計(青くぬられた長方形の面積)ですね。ちょうど、赤くぬられた数量の合計を青くぬられた数量の合計のところ流しこんでならす(平均化する)といったイメージでどうぞ。
「男子の平均に足らない点数×男子の人数=女子の平均を超えた点数×女子の人数」ということで、「男子と女子の平均を超えた(足らない)点数」と「男子と女子の人数」は、逆比の関係になるんです。
1.1:0.9=11:9→逆比 9:11…男子と女子の人数の比。40÷(9+11)×9=18人…男子。
いかがでしたでしょうか。平均算のいわゆる難問には、逆比の考え方を利用すると解きやすい問題が多くあります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
投稿者 寝太郎 : 11:11 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年01月10日
逆比の活用3
逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかを、具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。
文章問題(文章題)の「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係」の第2弾です。前回は、2人あるいは2つのものの速さとかかる時間の関係を考えましたが、今回は3人あるいは3つのもので考えてみたいと思います。応用力を養う上での代表的な問題、ぜひチャレンジしていただきたい問題を取り上げますが、レベル的には中級ぐらいかもしれません。あらかじめご承知おきを。それと、解くのに必要な図はありませんので、もし考えにくければご自分でかいて考えてみてください。
3とおりの速さの逆比ってどうなるの?
正三角形ABCの周上を点Pが動きます。AからBまでは毎秒1mの速さ、BからCまでは毎秒2mの速さ、CからAまでは毎秒3mの速さで動いたところ、1周するのに33秒かかりました。この正三角形ABCのまわりの長さは何mですか。(桐朋中)
動くものは、点P1つしかありませんが、同じ道のり(正三角形の3つの辺)を3通りに速さを変えて移動するわけですね。したがって、かかる時間も3通りあります。
AからB、BからC、CからAまでの速さの比は1:2:3。
このことから、AからB、BからC、CからAまで移動するのにかかる時間の比を求めます。この求め方が、この問題のポイントです。よく使われる2通りの解法を記しますのでお好きな方をどうぞ。
【解法1】:
正三角形の1辺の長さを1として、道のり÷速さでかかる時間を求める。1÷1=1、1÷2=1/2、1÷3=1/3。1:1/2:1/3=6:3:2…それぞれの辺を進むのにかかる時間の比。
【解法2】:
分数計算をさけて整数で計算するには最小公倍数の考え方を利用します。1と2と3の最小公倍数は6。6を正三角形の1辺の長さとして考えます。道のり÷速さでかかる時間を求める。6÷1=6、6÷2=3、6÷3=2。6:3:2…それぞれの辺にかかる時間の比。
整数計算の方が簡単ですぐれているように見えるかもしれませんが、安易に最小公倍数にたよりすぎるのは危険です。場合に応じてどちらもできるようにしておくことをおすすめします。
6+3+2=11…周上を1周するのにかかる時間の合計。33÷11×6=18(秒)…AからBまでにかかる時間。1×18=18(m)…正三角形の1辺の長さ。18×3=54(m)。
これは逆比の問題?
もう1題、上の問題とよく似た問題を取り上げますのでどこがちがうかよく考えてみてくださいね。これは逆比の考え方ではなく、「」でそれぞれの速さを表そうとするものですね。上の問題でも、逆比といっても「道のり÷速さ」の考え方を利用しているんですけどもね。要は、「速さとかかる時間」の逆比の関係を感覚的につかんでおいてほしいということです。
まわりの長さが270mの三角形の3つの頂点のそれぞれに、点A、点B、点Cがあって、同時に同じ方向に辺にそって動いたところ、次の頂点にA、B、Cとも同時に着きました。また、3つの点がこの三角形を1周してもとの頂点にもどるまでにかかった時間は、BはAの3分の1、CはAの5分の1でした。この三角形の最も長い辺は何mですか。
文章問題を解く上でのコツは、長い文章をいくつかに切ってそれぞれのパートから何が分かるかを考えることです。
上の問題とちがってまわりの長さが初めから分かっていますね。それから、旅人算では「同時に」という意味を考えることがたいへん重要ですね。
3つの点がこの三角形を1周してもとの頂点にもどるまで進んだ道のりは、三角形のまわりの長さですから同じです。したがって、まず、「かかった時間は、BはAの3分の1、CはAの5分の1」に着目して、A、B、C3つの点が同じ道のりを進むのにかかる時間の比を求めます。
Aを1としていることから、かかる時間をA=1、B=1/3、C=1/5とします。これを整数の比にすることは必要ありません。そして、この三角形のまわりの長さを1として速さの比を求めます。
(1÷1):(1÷1/3):(1÷1/5)=1:3:5…A、B、Cの速さの比。
「同時に同じ方向に辺にそって動いたところ、次の頂点にA、B、Cとも同時に着きました」をよく読み解こう。同じ時間で進む道のりの比は速さの比に等しいから、この三角形の辺の長さの比も1:3:5になる。そして、求めるのは最も長い辺で5に当たる辺である。
270÷(1+3+5)×5=150(m)。
以上で説明を終わります。「3人あるいは3つのもので」で逆比という、ちょっと強引な説明をしましたけれども、「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係は逆比である」ということを意識していただければ幸いです。
投稿者 寝太郎 : 11:59 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年01月08日
逆比をつかいこなそう!(2)速さとかかる時間
逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかを、具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。
まずはその第一弾。文章問題(文章題)の「道のりが一定の時の速さとかかる時間の関係」を取り上げます。代表的な逆比のセットですね。次に説明する問題は、「差集め算(差集算)」といわれる文章題の例題としてよく取り上げられます。参考書によっては「差集め算」という名の文章題は出てこないかもしれませんので「旅人算」の1種だと考えていただいてさしつかえありませんけども。
では、ご紹介しましょう。
速さとかかる時間は逆比
A地からB地へ行くのに、時速7.2kmの速さで行くつもりでしたが、時速6kmの速さで行ったので、予定よりも15分多くかかりました。A地からB地までのきょりを求めなさい。
差集め算の解法
「逆比の解法の特性」を考えるため、一般的な差集め算の解法と逆比の解法を記します。まずは、差集め算の解法です。
差集め算というのは、「1つの差」がいくつか集まって「全体の差」になっていることに着目して解く文章題です。「つるかめ算」と同様、仮定して考えるという側面を持っています。ここではくわしくは触れませんが、次のような線分図で考えます。

時速で計算するのがふつうですが、あえて分速に直して計算しますね。
時速7.2km=分速120m、時速6km=分速100m。
A地からB地まで分速120mで□分かかったと仮定する。同じ道のりを分速100mで□分進むと、B地までたどり着けない。そして、分速100mでさらに15分進むとB地に着くことになる。
120-100=20(m)…1分で進む道のりの差。100×15=1500(m)…□分間での差の集まり。
1500÷20=75(分)…□(分速120mで□分かかる)。
120×75=9000(m)=9(km)…A地からB地までのきょり。
いかがでしょうか? 差集め算の解説が目的ではありませんので、これぐらいにします。さて、次は、本題の逆比による解法です。図はありません。
逆比による解法
「道のりが一定の時、速さとかかる時間は逆比の関係にある」ということを知っているということが前提になります。
A地からB地まで進む速さの比は、A:B=7.2:6=6:5。したがって、A地からB地までかかる時間の比は逆比で、A:B=5:6。
15分が、6と5の差1に当たることになる。15×6=90(分)…A地からB地まで時速7.2kmでかかる時間。
90分=1.5時間。7.2×1.5=9(km)…A地からB地までのきょり。
いかかですか? ざっと、これが算数の逆比による解法です。
さて、念のためもう1題。上の問題と似た問題でやはり差集め算。今度は速さが分からなくしてあります。逆比による解法のみを記します。
A地からB地へ行くのに、ある速さで行くと20分かかりますが、毎分20m速さを増して行くと15分で着きます。A地からB地までのきょりを求めなさい。
A地からB地までかかる時間の比は、A:B=20:15=4:3。したがって、A地からB地まで進む速さの比は逆比で、A:B=3:4。
速さを増した毎分20mが、4と3の差1に当たることになる。20×3=60(m/分)…A地からB地まで20分かかった時の分速。
60×20=1200(m)=1.2(km)…A地からB地までのきょり。
「道のりが一定の時、速さとかかる時間は逆比の関係にある」は、逆比の関係ではいちばん重要なものだと思いますので、最初に取り上げてみました。
投稿者 寝太郎 : 15:53 | コメント (0) | トラックバック(0)
2007年01月07日
逆比は超強力魔法だよ♪
受験レベルでの算数の考え方、いや、一般的な算数の解法でとても重要なものの1つに逆比(反比例)というものがあります。
皆さんは、逆比による解法を十分理解し、それを活用していますか? 比と逆比(反比例)は対になった大事な考え方です。とはいうものの、いつの間にか算数から消えて中学生の数学で習うことになってしまいましたね。そして、中学や高校の数学では表立って取り上げられることは少ないかもしれません。でも、算数の世界に限っても、難問を解く上での超強力魔法だと断言できます。
逆比って何?
ごぞんじの方も多いと思いますが、逆比というものを簡単に説明しておきましょう。
逆比というのは反比例という言葉に置き換えると、正比例とセットになった言葉ですが、ここでは逆比についてのみ考えます。「比と逆比」というと、少しニュアンスが変わってきますので。
逆比というのは、簡単に言うと、2つの数量の積が一定の関係です。
2つの数量A、Bがあって、Aが2倍、3倍、…となると、Bは2分の1、3分の1、…となっていくという関係です。また、Aが2分の1、3分の1、…となると、Bが2倍、3倍、…となっていく。具体的には、
(A,B)=(1,60)、(2,30)、(3,20)、(4,15)、(5,12)、(6,10)…、といった2つの数量の関係です。Aが1の時Bが60という意味です。
1×60=60、2×30=60、3×20=60、4×15=60、5×12=60、6×10=60…
A×B=60。AとBの積が常に60で一定ですね。
ついでに言うと、積が一定という関係は、計算の仕組みと工夫をする上で重要なテクニックでもあります。たとえば、
2000×0.125なんて計算は、2×125と計算すると、小数計算しなくてすみますね。また、ここではくわしくは触れませんが、複雑な数学の計算を理解する上での大事な考え方でもあります。
比と逆比の関係を理解しよう
まず、比ありきです。まず簡単なものから。
比では2つの数量AとBの割合をA:B=1:3などど書き表します。この1:3を前後の数を逆にして、A:B=3:1と書き表したものを逆比といいます。単純にA:Bと書いていますが、上と下では表している数量が異なります。AとBの何かが1:3(BはAの3倍)だと、AとBの別の何かは3:1(BはAの3分の1)になるということですね。
今度はこういうのを。これが一般的な比の表し方です。2つの数量AとBの割合をA:B=3:2などど書き表します。この3:2を前後の数を逆にして、A:B=2:3と書き表したものを逆比といいます。A:B=3:2だから、B:A=2:3は逆比だとは言いません。
1個の値段の比は、A:B=3:2だから、同じ金額で買える個数の比は、AとBでは2:3。つまり、「1個の値段の比」と「同じ金額で買える個数の比」は逆比であるということを表しているのです。
ついでによく見かける逆比のまちがいを。比の表し方の特徴は、3つ以上の数量の割合を表せるということです。
A:B:C=1:2:3の時、A、B、Cの逆比は3:2:1にはなりません。たとえば、同じ道のりを進む時、A、B、Cの3人の速さの比が1:2:3の時、かかる時間の比は、A、B、C=3:2:1にはなりませんね。正しくは、6:3:2です。
逆比の書き表し方には決まりがありませんが、私は次のように書けばいいんじゃないのと小学生に教えています。算数は、数学のように未知数(変数)を使わないですね。これが算数のいいところでもあります(‥;)。
・1個の値段の比…3:2→逆比で2:3…個数の比。※→の上に逆比と書く。
逆比になることなる数量の比はセットだよ
逆比になるものは、A×B=積(一定)のAとBの関係で、「逆比になることなる数量の比がセットになって決められている」です。
算数の問題で逆比を活用するためには、まずどのような数量の比のセットが逆比になるのかを覚えなくてはいけません。「積」になるものは何か? その時のAとBの数量はどのようなものか?を考えなければなりません。そして次は、いろいろな問題の中から、この部分は逆比になるということを自分で見つけなくてはなりません。逆比を使いこなすにはやはり意識的に練習する必要があるかとは思いますが、難しい問題では、逆比を使いこなすと楽になるというケースがたくさん出てきます。
どのようなものが逆比になるか考えよう
最後に、どのような数量の比が逆比というセットになるのか基本的なものを具体的にいくつか挙げておきますね。
・同じ面積の長方形の縦の長さと横の長さ。
・同じ面積の三角形の底辺と高さ。
・同じ体積の角柱や円柱の、底面積と高さ。
・道のりが一定の時、速さとかかる時間の比。
・かみ合っている2つの歯車の歯の数と回転数。
・一定の仕事をする時、働く人数と仕事にかかる日数。
その他、高度な旅人算、食塩水の濃度、平均算など、いわゆる難問では逆比が最大限に活用できます。
上に挙げた例だけでは、逆比というものが算数の解法の道具としてどれだけ有効なものかいま一つピンとこないと思いますので、これより先は具体的な問題を実際に解いて解説していきたいと思います。ただし、初心者向けというよりは、ある程度算数の基本が分かっている方向けですのでご承知おきくださいね。
投稿者 寝太郎 : 12:07 | コメント (0) | トラックバック(0)