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算数Tips集…算数の学力向上のヒント・コツやツボ

・その4… 分数のかけ算とわり算の考え方(1)

分数の計算の仕組みから考える。

「分数のかけ算とわり算の考え方」(参照:分数のかけ算とわり算の意味)は指導される方によってさまざまだと思いますが、こと計算方法に関しては、同じでしょう。

たとえば、「÷2/3」は、分母と分子をひっくり返した分数(わる分数の逆数)をかけるから、「×3/2」としてかけ算にして計算する。

ここでは、分数のかけ算とわり算を整数の計算とくらべて考えてみたいと思います。
分数は、わり算の商を表す(分子の数÷分母の数)ということと、分数には約分という計算を簡単にする方法が用意されているということが前提となる考え方です。

ついでにいうと、たとえば、15/95/3と約分するのは、15÷9=(15÷3)÷(9÷3)=5÷3と計算していると考えることができます。わられる数とわるすうをあらかじめ同じ数でわっておいても、答えは変わらず同じになります。
3でわるというのが、分数計算での約分に当たります

まず、整数計算でこのような計算式を考えます。A、B、Cは数を表します。

・A×(B×C)=A×B×C
・A×(B÷C)=A×B÷C
・A÷(B×C)=A÷B÷
・A÷(B÷C)=A÷B×
 ※ わり算だと( )をはずすと、( )の中の「×」と「÷」が入れかわります

具体的な数で、どのような計算になるのかを考えてみましょう。

・12×(6×2)=12×6×2=144。
12×6とくらべて、6の2倍をかけているから、答えは12×6の2倍になる

・12×(6÷2)=12×3=36。あるいは、12×(6÷2)=12×6÷2=36。
12×6とくらべて、6の半分をかけているから、答えは12×6の半分になる

12/1×6/212×6/2(ここで約分)=36。ついでに、
・A×(B÷C)=A×B÷Cは、A×B/CA×B/Cという分数計算になる。

・12÷(6×2)=12÷12=1。あるいは、12÷(6×2)=12÷6÷2=1。
12÷6とくらべて、6の2倍でわっているから、答えは12÷6の半分になる

・12÷(6÷2)=12÷3=4。あるいは、12÷(6÷2)=12÷6×2=12×2÷6=4。
12÷6とくらべて、6の半分でわっているから、答えは12÷6の2倍になる

12/1÷6/212/1×2/612×2/6(ここで約分)=4。ついでに、
・A÷(B÷C)=A÷B×Cは、A×C÷Bで、A×C/BA×C/Bという分数計算になる。※ わり算の時は、わる分数の逆数をかける計算ですね。

こんどは、わられる数がわり算になっている場合。あとで出てくるじっさいの分数計算とくらべてみてください。

かけられる数が分数。

・36÷3×(6×2)=36÷3×12=36×12÷3=144。

36/3×12/136×12/3(ここで約分)=144。

かける数もかけられる数も分数。

・36÷3×(6÷2)=36÷3×6÷2=36×6÷3÷2=36。

36/3×6/236×6/3×2(ここで約分)=36。

わられる数が分数。

・36÷3÷(6×2)=36÷3÷12=1。

36/3÷12/136/3×1/1236/3×12(ここで約分)=1。

わられる数もわる数も分数。

・36÷3÷(6÷2)=36÷3÷6×2=36×2÷3÷6=4。

36/3÷6/236/3×2/636×2/3×6(ここで約分)=4。

ある意味で、分数のかけ算・わり算というのは、整数のかけ算・わり算の組み合わせをまとめて計算している。かけ算グループは分子にならべ、わり算グループは分母にならべて2段にし、それから「約分」という超強力魔法で計算を簡単にしているのかもしれませんね。

次の機会に、分数のかけ算・わり算について、「割合」という側面から書き記したいと思っております。

・その5… 分数のかけ算・わり算と分数の割合

分数の割合は、なぜ分数をかけたり、分数でわるのか?

分数の計算の最後に、「分数をかける計算」と「分数でわる計算」(・その22_分数のかけ算・整数に分数をかける〜 )をやりましたが、ここでは計算の側面からの説明でしたので、ここで計算とからめて、分数のかけ算とわり算を「分数の割合」という面から少し考えてみたいと思います。

ある数に分数をかける

たとえば、次のような問題は、割合の考え方が必要になります。

12の2/3はいくらか
12の2/3は、12を3等分したものを2つ合わせるといくらになるかという意味です。

この答えを求めるにはやはり計算しなければなりません。

分数の割合計算1

割合の意味から考えると、12÷3×2という計算です。
12÷3×2=12×2÷3
=12×(2÷3)
=12×2/3で、
12×2/3という分数計算になりますね。

こんどは、このような問題を考えてみましょう。

ある数の2/3が8になりました。ある数はいくらか。
ある数を3等分したものを2つ合わせると8になる、つまり、ある数÷3×2=8ということですね。

分数の割合計算2

ある数を求めるには、逆算して、8÷2×3と考えます。
8÷2=4…ある数を3等分した1つ。4×3=12…3等分する前のある数。

これを、分数計算ですると、ある数=8÷2×3=8÷(2÷3)と考え、8÷2/3で、ある数12を求める計算式ができあがります。

さて、もう1つ。割合には3とおりの考え方があります。
それは、「もとにする量」と「くらべる量」と「割合」の3つの関係をつかめるようにならないと割合を学習したことにならないからです。これは「速さ」・「時間」・「道のり」の3つの関係を理解しなければならないのと同じです。

今までやったのは、割合が分かっていて「くらべる量」と「もとにする量」を求める方法でした。いちばん難しく感じるのは「もとにする量」を求める考え方で、2つ目の説明ですね。

割合の考え方の基本は、「何倍か?」ということだと思います。

最後に、「くらべる量」と「もとにする量」がわかっていて、「割合」を求める考え方をやってみましょう。

8は12の何分のいくらか?
12を1とした時、8はいくらの割合になるかを最も簡単な分数で表す問題です。

また、ピザパイで…。ピザパイ1枚を切って何等分かして何切れ分あるか。
まあ、絵を見ながら、もとにする量を1として、くらべる量が何分のいくらかということを考えてくださいね。

「8は12の何分のいくらか」などの「分数の割合」は、今の指導要領では「小数の割合→百分率→歩合」を習った後に登場します。「比」もそうですね。小学生にとっては、整数倍の世界から一気にジャンプする具体的なイメージのとぼしい世界で、取っつきにくい単元です。

ここではくわしくは触れませんが、次のようなことを頭の中に入れて置いてください。わり算は、計算という側面のほかに、何倍かという割合の考え方をふくんでいる

・30は10の何倍か?…30÷10で、3倍。
・150円は100円の何倍か?…150÷100で、1.5倍。
・100円は300円の何倍か?…100÷300で、1/3、あるいは1/3倍。
※ふつう、「倍」というのははぶく。

分数の割合

8÷12=(8÷4)÷(12÷4)=2÷3=2/3

8÷12=8/12で、これを4でわって約分すると、、8は12の何倍かが求められ、自動的に12を1として考えていることになりますね。

ついでに、
「比と比の値」と「比例式」は、「分数の割合」と同じ世界で、小中学生にとっては、整数で考えられる分、理解しやすいようですね。このことについては、また別の機会に。

・その6… 割合の2通りの表し方を考える

割合はなぜ習得が困難なのか?

割合と速さという単元

割合という単元は、速さと同じく習得が難しいということは、前にも申し述べました。速さに関しては、「その3…時間の単位と速さの単位のちがい」をご参照ください。
速さという単元が難しいのは、簡単に言うと次のような理由からだと考えます。

・時間という単位と速さという単位量を考えなければならない。
・「速さ・時間・道のり」の3つの関係を考えなければならない。
・計算が分数計算になる場合が多い。
・速さと時間の単位をそろえなければならない(分速なら時間は分に)。

割合には2通りの表し方がある。

「その5… 分数のかけ算・わり算と分数の割合」では、もとにする量を1として、くらべる量が何分のいくらかという割合の考え方を記しました。ここでは、割合の考え方には2通りあるということで、「比と比の値」と「比例式」について考えてみたいと思います。

割合の表し方には、大きく分けて2種類あります。
1つは、もとにする量を1とする考え方。これは、くらべる量がもとにする量の何倍か、つまり、「わり算の世界」ですね。むろん、何倍かする場合のかけ算も割合ですが、ここでは考えにくい「わり算と割合」を取りあげます。

・30は10の何倍か?…30÷10で、3倍。
・150円は100円の何倍か?…150÷100で、1.5倍。
・100円は300円の何倍か?…100÷300で、1/3、あるいは1/3倍。
※ふつう、「倍」というのははぶく。

これらは、意識しなくとも、「10」、「100円」、「300円」という比べる量を1として考えています

これから簡単に触れる「比の基本的な考え方」は、それに対して、2つの量を比べる時、「2:3」(2たい3)という表し方です。もっとやさしい言葉でいうと、「2と3の割合」です。

こちらは、もとにする量が1ではありません。むろん、1に当たる数や量は考えるのですが、それはもとにする量ではないのです。

たとえば、次のような考え方です。

・姉は300円、妹は200円持っています。姉と妹の持っているお金の割合は何と何の割合ですか。(姉と妹の持っているお金の割合を最も簡単な比で表しなさい。)

姉と妹の持っているお金の割合と比

姉の持っているお金300円は、100円×、妹の持っているお金200円は、100円×と考えます。
つまり、100円をとして考えると、姉はそれが3つ、妹はそれが2つなので、姉と妹の持っているお金の割合は、の割合、これを比の用語で言うと、「3:2(3たい2)」と言います。言葉が変わるだけで、中味はまったく同じです。

注意する点は、「もとにする量を1」とした場合は、わり算ですぐにもとにする量が出てきますが、こちらの比の場合はそうはいきません。

姉のお金なら、1となる100円を出したあと、100円×3=300円と計算することです。

比(何と何の割合)」を使う割合の問題に変えてみます。

・姉と妹2人が持っているお金の合計は500円です。姉と妹の持っているお金の割合は3と2の割合(3:2)です。姉と妹はそれぞれいくらお金を持っていますか。

割合・整数の比で考える

姉の持っているお金を、妹の持っているお金は。2人の持っているお金の合計は、2+3で
500円÷5=100円。に当たるのは100円。は、姉のお金でも妹のお金でもありません。

姉のお金を出すには、さらに、100円×3=500円と計算します。

割合と比と比例式

一見難しそうに思われますが、この割合の考え方は、「小数の割合・百分率・歩合」の割合の考え方より理解しやすいかもしれませんね。
比は、分数の割合を整数の感覚でとらえたもので、これと比例式を組み合わせて問題を解くと、小中学生にとって考えやすい側面を持っています。

例:
・マグネシウム9gを空気中で燃焼させると15gの酸化マグネシウムができる。マグネシウム6gを燃焼させると何gの酸化マグネシウムができるか。

・分数を使った解法例:
6÷9=2/3。9gを1とすると6gは2/3、あるいは、6gは9gの2/3倍。15×2/310(g)

・比と比例式を使った解法:
9:6=15:x。 3:2=15:x。「内項の積=外項の積」で、2×15÷3=10(g)

上の2人のお金の問題ですが、次のような場合もあります。こちらは、200円÷300円はわりきれませんので、兄の持っているお金は弟の2/3(3分の2)などとしなければなりませんが、比だと、2と3の割合という整数で表すことができます。

・兄は200円、弟は300円持っています。姉と妹の持っているお金の割合は何と何の割合ですか。(兄と弟の持っているお金の割合を最も簡単な比で表しなさい。)

兄と弟の持っているお金の割合と比

100円をとして考えると、兄はそれが2つ、弟はそれが3つなので、兄と弟の持っているお金の割合は、の割合、これを比の用語で言うと、「2:3(2たい3)」と言います。

すでにお気づきかもしれませんが、となる100円は、300円と200円、200円と300円、それぞれの最大公約数に当たります。
つまり、分数でいうところの約分をしていることになります。

というようなわけで、こういう割合の考え方もあるということで、例を挙げて簡単に触れておくことにしたしだいです。

[参考]:分数の割合と比、比の値。
比と比の値の意味

2:3と比で表すとき、2:3の比の値とは、2は3を1とした時、いくらになるかを表す。比の値は、2/3
3と縦に書き、「」を「」に置きかえると考えるとよい。
また、3:2と比で表すとき、3:2の比の値とは、3は2を1とした時、いくらになるかを表す。比の値は、3/2

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