5・割合…割合の考え方と表し方・
1・割合の表し方の基本_その19
・その19_割合・比(1)・比の考え方…6年
割合の最後は、「比」について触れておきましょう。分数の割合と比は、算数のみならず中学や高校の数学においてひじょうに大事な考え方です。小学生の間に、「比」の基本的な考え方をしっかり理解しておきましょうね。
・その19_割合・比(1)・比の考え方…6年
比とは何?
「比」は、小数倍、百分率、歩合、分数の割合と少し毛色のちがった割合の表し方かもしれません。と同時に、「分数の割合」とは深く関わり合っています。
比の基本的な仕組みは、前に「その10_割合・比の基本的な考え方 (1)」で触れました。そこでは、まだ習っていないという前提で「2と3の割合」と記していましたが、「2と3の割合」を「2:3」と書くだけのちがいで、考え方はまったく同じです。「:」は「たい(対)」と読むんです。基本的な考え方で新しく覚えることはこれだけ(‥;)。
たとえば、Aが80円、Bが100円持っていたとして、Aの持っているお金をBの持っているお金と比べる場合を考えてみましょう。
この時、Aの持っているお金が比べる量でBの持っているお金がもとにする量です。
・小数倍では、AはBの0.8。
・百分率では、AはBの80%。
・歩合では、AはBの8割。
・分数では、AはBの4/5(80/100ではなく、約分してかんたんにしておくのがふつう)。
比で割合を表すと、次のようになります。
・A:B=80円:100円=4:5。
80:100ではなく、4:5のように最大公約数で割っていちばんかんたんな整数の比に直しておきます。分数の割合で約分するのとまったく同じですね。比が分数と兄弟の関係にあるよい例です。
さて、比以外の割合では、0.8、80%、8割、4/5と表しましたが、これは「AはBの」ということで「Aの割合」であって、Bのもとにする量はかげにかくれています。
ところが、「4:5」という比ではAとBはいわば対等の関係にあります。ここらあたりが分数の割合とのちがいといえばちがいです。言葉を換(か)えると、比の基本計算は分数を知らなくても整数で可能になるということなんです。
分数の割合と比の似ているところは?
比の基本的な考え方と計算方法に慣れてからでないとぴんとこないかもしれませんが、分数の割合と兄弟関係にあるというのはどういうことなのかを先に述べておきます。以前に記したことを念のため。
[参考]:分数の割合と比、比の値。

2:3と比で表すとき、2:3の比の値とは、2は3を1とした時、いくらになるかを表す。比の値は、2/3。
2:3と縦に書き、「:」を「−」に置きかえると考えるとよい。
また、3:2と比で表すとき、3:2の比の値とは、3は2を1とした時、いくらになるかを表す。比の値は、3/2。
つまり、「比の値」を考える時、A:Bでは、Aが比べる量、B:Aでは、Bが比べる量、左にある数量が比べる量になるわけです。
割合=比べる量÷もとにする量
分数の割合では、分子が比べる量、分母がもとにする量なんです。分子を分母で割った商を分子/分母で表したのが分数ですからね。たとえば、2/3は、2÷3の商であり、2は3の2/3(倍)でもあるということです。
高校数学ぐらいになると、80:100=4:5を80/100=4/5と書いたり、BD:DC=AB:ACをBD/DC=AB/ACと書いちゃったりします。まったく同じなんですが、説明がないととまどうかもしれませんね。
比がほかの割合と決定的にちがうところは?
小数倍、百分率、歩合、分数で表された割合は、2つの数や量の関係にとどまり、一方がもう一方のどれくらいの割合かを表すのみですが、比では、横に対等に並べるだけですので、3つ以上の数や量の割合の関係を整数のみで表すことが出来ます。
たとえば、A:B:C=80円:100円:60円=4:5:3。
これは、3つの量A、B、Cの割合が4:5:3であることを表しているんですね。
分数でAを1とすると、A:B:C=1:5/4:3/4と並べることは出来ますが、比は初めから4:5:3と整数のみでこのように並べるんです。
比も割合ですので、ほかの割合と同じように「もとにする量」、「比べる量」、「割合」を求める考え方は重要です。しかし、その前に「比をかんたんにする」練習をやっておきましょうね。これは分数の約分が分数計算に欠かせないのと同じです。分数の約分がしっかり身についていれば、たてに約分するのを比では横に約分するだけです。ポイントは、最終的に数や量を最大公約数で割った状態にしておけるようにするです。
とにかく、約数を知る、(最大)公約数で割るという作業は、高校数学まで計算を楽にするために欠かせません。しっかり練習して慣れるようにしておきましょうね。
・例題:その19_比をかんたんにする
次の比をいちばんかんたんな整数の比に直しなさい。
(1) 12:18
(2) 77g:44g
(3) 27:18:45
(4) 1.5:4.5
(5) 2/3:3/2
(6) 0.2:1:1/2
「比をいちばんかんたんな整数の比にする」計算では、小数や分数、整数、小数や分数が混じったものも出てきます。よく練習して慣れるようにしておきましょうね。
(1) 12/18を約分するときの要領で。12と18を最大公約数6で割る。2:3。
(2) gがついていて量であるが比の考え方は同じ。77と44の最大公約数11で割る。7:4。割合なので、7g:4gとしてはいけない。
最大公約数11が見つけにくい場合は、77を7で割ってみよう。77÷7=11。44は7で割り切れないから11で割り切れることになる。
(3) 3つの数になっても比の考え方は同じ。27と18と45の最大公約数9で割る。
27:18:45=3:2:5。
(4) 小数の比を整数の比に直さなければならない場合も多い。まず、1.5:4.5をそれぞれ10倍して整数の比にすればよい。2つの数や量に同じ数をかけても比で表された割合は変わらない(割る場合も同じ)。
1.5:4.5=15:45=1:3。
(5) 数や量が分数の場合は、分母の最小公倍数をかけて整数にしておく。3と2の最小公倍数6をかける。
2/3:3/2=4:9。
(6) 整数、小数、分数が混じっている。全部分数に直すか、全部小数に直すか、計算しやすい方で。
・全部分数…0.2:1:1/2=1/5:1:1/2=2:10:5。
・全部小数…0.2:1:1/2=0.2:1:0.5==2:10:5。
■練習問題 ■ ・その19_比をかんたんにする 【答え】
次の比をいちばんかんたんな整数の比に直しなさい。
(1) 24:32
(2) 78:65
(3) 24:8:28
(4) 8:3.2
(5) 1/4:5/6
(6) 3/4:0.6:2
■練習問題 ■ ・その19_比をかんたんにする・ 【答え】
(1)3:4 (2)6:5 (3)6:2:7 (4)3:2 (5)3:10 (6)15:12:40
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